TeX ソースの PDF に type 3 フォントが残るという話 & 対策

 某雑誌に投稿した論文について,editor in chief の先生より「upload されたファイルは,投稿時必須の PDF test はノーエラーでパスするけど文字化けしていて全く読めない。複数台のコンピュータでトライしてみたが状況が変わらないので,問題を修正して再提出しなさい」との連絡を頂く。

 実はこの論文原稿,投稿システムの PDF test では何の問題もないように表示されたのだが「念のため」と思ってダウンロードした投稿済み原稿が自分の手元でも文字化けしてしまって読めず「大丈夫かなぁ」と不安に思っていたもの。案の定、、、である(涙)。

 投稿時は結構疲労していたため PDF test の結果ログをちゃんとチェックしていなかったのだが,改めて調べてみると作成した PDF の中にいくつか含まれていると表示される type 3 フォントが原因であるらしいことがわかる。この PDF test システムも,UI画面ではコメントとして「initial submission では type 3 フォントが残っていても許容するけど,問題を引き起こす可能性があるよ」と書いている。

 さらに google と 

  • PPT で書いた図を eps 化したファイルにはtype 3 フォントが含まれることがある。

 という情報にも当たる。途中,「wmf2eps というソフトウェアで PPT 図を eps 化する場合は,truetype font の処理を適切なオプション設定で行わないと eps 化した図に type 3 フォントが含まれてしまう」という情報も発見(例えばこちらとか)するが,私は wmf2eps ではなく imagemagick で convert しているので,これでは問題を解決できない。

# 正確に言うと,wmf2eps で,上述の設定をした上で図を作り直せば対応できない

# わけではないのだが,出来ればそれは避けたい...

 

 しばらく情報を探したものの対策を発見できなかったので,wmf2eps のインストールやむなしと気持ちが傾きかけたところで,

  • TeX のソース中で \usepackage{lmodern} とすれば,最終的に出来上がるPDFファイルから Type3 フォントが消える!

という極めてありがたい情報に到達でき,解決できた。組み込まれるフォントが変わったためか組版のレイアウトが変化してしまったが,やむなしといったところか。しかし,PPTオリジンの図は数えるほどしかなく,従って Type3フォントも数少ないと思われるのに本文全体が文字化けするって,どうよ...

 

【要約】 PPT ソースの図を eps にして TeX に取り込むときは,preamble で \usepackage{lmodern} とすべし!